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-CONCEPT- OLD記事

   

 

 

ロダン 美術館(Rodin Museum)

 

ロダン美術館外観

©S.Yoshida 


Benjamin Franklin Parkway at 22nd Street

215 763-8100

www.rodinmuseum.org

時間;火~日 10a.m. ~5p.m.

入館料:ドネーション$3


  フィラデルフィア美術館からは、4ブロック東に位置し、3車線ある広いベンジャミン・フランクリンパークウエイの並木の脇にこじんまりとたたずむロダン美術館。ロダンの作品に魅せられたフィラデルフィア屈指の事業家、Jules Masterbaum(1872ー1926)によって創設されたもので、その名の通り、フランスの彫刻家、オーギュスト・ロダンの作品を展示する美術館。現在は、フィラデルフィア美術館管轄下にあり、小さいながら美術館とその敷地にある庭は、市民の憩いの場となっている。

  アメリカ独立宣言署名の地でもあるフィラデルフィアとロダンの結びつきには、興味深い歴史的な背景がある。1876年、フィラデルフィアでは、アメリカ独立百周年記念行事にちなんで、後のフィラデルフィア美術館のきっかけとなった大きな展覧会が開催された。当時36歳のロダンにとっては、その展覧会への出品がアメリカデビューだった。しかしロダンへのアメリカでの反応はサッパリ。賞を手にするどころかメディアでさえ何のコメントも寄せず、これにはロダンも意気消沈したという。ロダンは、1917年に亡くなるが、フィラデルフィアでのロダン美術館の直接のきっかけは、その約50年後におとずれる。1923年、パリを訪問中だった、Masterbaumは、現在のミュゼ・ロダン(ロダン美術館、パリ)のそばのショーウインドーで小さなブロンズの”手”を購入する。Masterbaumにとって、それがロダン作品との出会いだった。

 

”地獄の門”

1880ー1917

ブロンズ

©The Rodin Museum, Philadelphia

  Masterbaumの膨大な資産は、直接ミュゼ・ロダンからのいくつかのブロンズ作品の購入を可能にした。しかし、Masterbaumのロダンへの傾倒は、作品の収集にとどまらず、パリ郊外Meudonにあるロダンの家兼スタジオの維持と改築のために、自身の資財を投資するにいたった。ロダンを知ってわずか2年後の1925年、Masterbaumは、ロダンの生前には実現されなかった、”地獄の門”のブロンズ鋳造の発注をふたつ行った。ひとつは、フィラデルフィアでのロダン美術館のために、そしてもう一つは当時資金困難に陥っていたパリの美術館施設のために。フランス政府はこの貢献のお返しとして、Masterbaumにロダンのプラスターを6つ贈呈した。

 

ロダン美術館,入り口ファーケード

©S.Yoshida

  フィラデルフィアのロダン美術館の構想について、Masterbaumは、Jacques Greberに依頼した。Greberは、パリのシャンゼリゼ通りを彷佛とさせるパークウエイとフィラデルフィア美術館設置のデザインに携わったフランス人環境建築家。ロダン美術館自体の建築については、バーンズ・コレクションも担当したPaul Philippe Cretが行った。このプロジェクトにたずさわったメンバーのなかには、Cretの教え子でもあり、フィラデルフィアが誇る20世紀最大の建築家の一人、Louis Kahnもいた。ロダン美術館入り口のファケードそばでは、”考える人”が来館者を迎える。これは、フランスMeudonでのロダンの墓石をまねたつくりであり、美術館全体がロダンへ捧げられた碑のような構想となっている。

 

”考える人”

1880

ブロンズ

©The Rodin Museum, Philadelphia

 

ロダン美術館内、”カレーの市民”

1884ー1895

ブロンズ

©The Rodin Museum, Philadelphia

  フィラデルフィアのロダン美術館の開館は、1929年、Masterbaumがなくなって3年後のことだった。1929年は、アメリカ大恐慌の年。(フィラデルフィア美術館管轄下となるのは1939年。)混乱の時代から、戦後のアメリカ美術の世界的な台頭。ロダン美術館は20世紀美術の動きから取り残されたように見える。しかし、天窓からの柔らかい光がてらす館内で、あらためて”カレーの市民”をはじめロダンの代表的な彫刻にむかうと、時間を超越した作品の力強さがつたわって来る。ロダン美術館には、現在127点のブロンズ、大理石、プラスター、ワックス等の作品が納められている。 Masterbaumを突き動かしたロダンの魅力が、現代の観覧者にも十分伝わってくる場である。

Yoko Yamazaki)

  

                       

 

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