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-CONCEPT- OLD記事

ハドソンリバー・スクール展

The Hudson River School: Nature and the American View

5/17、2005−2/5、2006

ニューヨーク・ヒストリカル・ソサエティー

2West 77th Street at Central Park West, New York, NY 10024

 

セントラルパークの西、77ストリート沿いのニューヨーク自然史博物館のすぐ側にたつのがニューヨーク・ヒストリカル・ソサエティー。ニューヨークでは最も古い博物館(1804年創立)。館内には、アメリカンカルチャーの資料倉庫兼スタディーセンター、ヘンリー・ルースセンターを併設。本展は、そのヒストリカル・ソサエティーのコレクションから100点以上のハドソンリバー・スクールと呼ばれた19世紀の風景画が公開されたもの。

Thomas Cole

The Course of Empire (The Savage State), 1858.1

Courtesy of the New-York Historical Society.

ハドソンリバー・スクールは、19世紀半ばのニューヨークで発展したトーマス・コーレ(Thomas Cole:1801−1848)、アシャー・B・ドュラン(Asher B Durand: 1796-1886)らを中心としたアーティストのグループ。当時の合衆国は1783年に独立したばかりで、ヨーロッパから見ればまだまだ“新大陸”。一方、アメリカ入植者はアメリカの文化的自我を強く意識し始める頃。そんな中、アメリカ独自のイメージを啓発したのは、 詩人、作家、そして画家達だった。彼らが注目したのは、ハドソン川流域の豊かな自然の風景。都市部からやや離れた例えばキャッツキルズ(Catskills)やジョージ湖(Lake George)の風景は、手つかずの自然、つまりヨーロッパからの教化を受けないアメリカの象徴として描かれた。もともとイギリス出身のコーレは、ヨーロッパの寓話的な絵画の伝統を強く残したが、彼が示唆したのは過去のヨーロッパ文化と新しい、あるいは現在の、アメリカの自然という対比だった。そしてドュランはヨーロッパに旅しアルプスを見てもニュージャージーの山々を回顧するほどの愛国者だったという。

Asher Brown Durand

Black Mountain, 1907.17

Courtesy of the New-York Historical Society.

人々のハドソン川流域への関心が高まるのは、文化的啓蒙的な思想からばかりではない。ハドソン川は、レジャースポットとしても人気を集めていく。ニューヨークの州都オールバニーとマンハッタンを往復した蒸気観光船にまつわる広告、切符、絵はがき等がコーナーを分けて展示される他、1984年に作られたハドソン川両流域をパノラマ式に追った観光用地図も公開される。そこには人々の余暇への余裕が感じられ、ニューヨークでの都市生活の発展がうかがわれる。ハドソンリバー・スクールが描いた歴史的な場所は、現在でもニューヨーカー達の夏の避暑地となっている。現代美術との絡みでは、ディア・ビーコンもまたハドソン川沿いに開設されている。

Albert Bierstadt

Donner Lake from the Summit, 1909.16

Courtesy of the New-York Historical Society.

一見写実的で自然に忠実な表現と見えるハドソンリバー・スクールの作品の裏に、アメリカの発展とアイデンティティーの追求の歴史が隠れていたことを思うと、それらの風景画は、非常にコンセプチュアルに映る。(Yoko Yamazaki)

 

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