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-CONCEPT- OLD記事

グスタフ・クリムト:フェルディナンド&アデレ・ブロック=バウアーコレクションからの五つの絵画展

Gustav Klimt: Five Paintings from the Collection of Ferdinand and Adele Bloch-Bauer

7/13—9/18,2006

ノイエ・ギャラリー

Neue Galerie

 

ウィーン分離派の創設者の一人として知られるグスタフ・クリムト(1862−1918)は、1903年、イタリア、ラベンナのサン・ビターレ教会で黄金のモザイク壁画——中でも東ローマ皇帝の后妃テオドラの壁画——に魅せられる。以降黄金背景の作品を制作するようになるが、その代表作とも言えるのが、「アデレ・ブロック=バウアーの肖像I」(1907)である。6月、ノイエ・ギャラリーのプレジデント、ロナルド・ラウダーが1億3500万ドルの史上最高値で購入し、話題になった。 本展では,アデレの肖像を含む計5点のクリムト作品が公開されている。

 

              Gustav KLIMT (1862-1918)

Adele Bloch-Bauer I, 1907

              Oil, silver, and gold on canvas

              Neue Galerie New York

              This acquisition made available in part through

              the generosity of the heirs of the

              Estates of Ferdinand and Adele Bloch-Bauer

全身を有機的な装飾のローブに覆われ、しかも夢見がちなまなざしで唇を軽く開く官能的なアデレの肖像画には然るべき理由があった。 アデレがクリムトのモデルになったのは20代前半の頃 で、実業家の夫フェルディナンド・ブロック=バウアーが彼女の肖像画を依頼したのがきっかけだった。クリムトは、当時から多くの女性関係でも知られており、二人の関係はじきに愛人関係にまで発展したようだ。本展ではクリムトが描いたもう一つのアデレの肖像画も公開している。(クリムトが二度に渡り全身像を完成させた女性はこのアデレだけだとも言われている。) 

              Gustav KLIMT (1862-1918)

              Adele Bloch-Bauer II, 1912

              Oil on canvas

              Estates of Ferdinand and Adele Bloch-Bauer

本展で展示されているクリムトの5点の作品は,もともとブロック=バウアー家所蔵だったが、ユダヤ系だったため第二次大戦中ナチに没収され、戦後はオーストリア政府の管理下に置かれた。アデレの姪にあたるブロック=バウアー家の継承者マリア・アルトマン(90歳、ロサンジェルス在住)は、オーストリア政府に長年作品の返却を求めていたが拒否され、この1月アメリカの最高裁で勝訴した。ノイエが購入した「アデレ・ブロック=バウアーの肖像I」の価格は,ニューヨーク・タイムズ紙によると、残りの作品4点の総計価格に相当するという。アルトマン側は,その4点の販売の話を先の所有者オーストリア政府に持ちかけたが、高額すぎるとの理由で断られたと言う。

人々の懸念は、ノイエの高額な支払い価格が今後の美術市場にどのように影響するかにある。しかし、ノイエでは、「アデレ・ブロック=バウアーの肖像I」を、その歴史的価値、そして美術的価値からもノイエ・コレクションを強化するものとして、ルーブルのモナリザになぞらえている。購入金額に関する賛否両論にかかわらず、本展は、この夏話題の展覧会の一つとして多くの入館者を動員することに成功しているようだ。(Yoko Yamazaki)

 

 

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