MoMA QNS（モマ・クイーンズ）

45-20 33 Street at Queens Boulvard, Long Island City, Queens

Hours: 10:00 a.m. – 5 p.m. 木曜日－月曜日;

10:00 a.m. – 7:45 p.m. 金曜日. 閉館火曜日、水曜日、感謝祭、クリスマス.

Subway: 7 Local で 33 Street/Queens Boulevard 駅 (Grand Central Stationから約１５分)。

MoMA QNS は 33 Street stationの目の前の青い建物.

MoMA QNS facade.

Computer enhanced photo.

Photo ©Elizabeth Felicella.

©The Museum of Modern Art, New York.

展覧会

MoMA QNS ファッショニング　フィクション　イン　フォトグラフィー　１９９０　～		Tina Barney (American, born 1945) Julianne Moore and Family. 1999 From “New York Stories,” W, October 1999 Chromogenic color print, 48 x 60” (121.9 x 152.4 cm) Courtesy the photographer and Janet Borden, Inc. © 2004 Tina Barney
モマクイーンズ若い世代に向けた２つのウェブサイト		Opening sequence from Destination: Modern Art. Illustration: Brian Biggs
MoMA QNS ロ－トタイム：ディター・ロート回顧展		Dieter Roth. P.O.TH.A.A.VFB (Portrait of the Artist as Vogelfutterbüste [birdseed bust]). 1970. Chocolate, 9 1/4 x 5 7/8 x 3 15/16" (23.5 x 15 x 10 cm). Private collection. © Estate of Dieter Roth. Photo credit: Martin Bühler, Basel.
MoMA QNS（モマ・クイーンズ）ドローイングの現在展:　８つの提案（Drwaing Now: Eight Propositions)		Yoshitomo Nara Time of My life, 1992-2000. Photo: Thomas Griesel, The Museum of Modern Art, New York ©Yoshitomo Nara
モマ・クイーンズマチス・ピカソ展（Matisse Picasso)		Henri Matisse. Large Reclining Nude (The Pink Nude). 1935. The Baltimore Museum of Art. The Cone Collection, formed by Dr. Claribel Cone and Miss Etta Cone of Baltimore, Maryland. ©2003 Succession H. Matisse/Artists Rights Society (ARS), New York.
MoMA QNS MoMA QNS オープン!		MoMA QNS facade. Computer enhanced photo. Photo ©Elizabeth Felicella ©The Museum of Modern Art, New York.

展覧会名

To be Looked At: Painting and Sculpture From the Collection

　６／２９～９／９、２００２

Tempo

６／２９～９／９、２００２

AUTObobies: speed, sport, transport

６／２９～９／１６、２００２

A walk through Astoria and Queens: Photographs by Rudy Burckhardt

６／２９～１１／4、２００２

モマQNSがいよいよオープン。オープニングを飾ったのは、上記４つの展覧会。

to be looked at 展会場

To be Looked At展は、モマの所蔵品展。タイトルはマルセル・デュシャンの彫刻の名から引用された。モマQNS総面積約2,300平方mのうち約1/3の空間がさかれ、そこにモマのハイライト作品が期間中随時交代で展示される。１９世紀後半からは、セザンヌの"The Bather(水浴する人)”(1885）やゴッホの”The Starry Night(星月夜）”(1889）など。2０世紀初期のピカソの”Les Demoiselles d'Avignon(アビニオンの娘たち）"(1907)やマチスの”Dance"(1909)はもちろん、戦後の抽象表現主義、ジャクソン・ポロック,"One(Number 31, 1950)" (1950)、そしてポップアート、ウオーホールの”32Campbell Soup Cans(キャンベルスープ缶)"(1962)など、１世紀以上たったモダーンアートの歴史を飾る重要な作品が、時代ごとにならぶ。

Vincent van Gogh

The Starry Night 1889

Pablo Picasso

Les Demoiselles d'Avignon 1907

Henri Matisse

Memory of Oceania Summer 1952-early 1953

Robert Rauschenberg

Bed 1955

Andy Warhol

Campbell's Soup Cans 1962

to be looked at 展会場

そして最終ギャラリーでは、戦後の多様化するアートを暗示するようにヨーゼフ・ボイス、ルーチョ・フォンタナ、イヴ・クライン、草間弥生、アンゼルムン・キーファー、そしてブルース・ナウマンなどの作品が展示される。興味深いのは、垂直と言うより、水平に広がるシンプルな展示会場。時代ごとの区画がゆるやかで、例えば、ゴッホとチャック・クローズの作品が会場の一角から同時に垣間見える。けれどもそれらは、お互い邪魔する事なく併置する。時代の推移、そして様々な作品の変遷を示唆する展示会場。それはモマの移転と言うメタファーであるかのようだ。

Tempo展会場

Tempo展はアメリカ、アフリカ、ヨーロッパ、そしてアジアからの総勢４５人の作家で構成される現代美術展。56点の全ての作品が”時間”というテーマにかかわっている。会場は、Time Collapsed(崩壊した時間)、Transgressive Bodies(超越するボデー）、Liquid Time(流体時間）、Trans-Histories(歴史の超越）、そしてMobility/Immobility(可動性／不可動性）と題された５つの区画にわけられる。私たちは日頃どのように時間というものを把握するのだろうか。現象論的、経験論的、政治的、あるいは虚構的なものによってだろうか。展覧会では、それらの概念の構築が作家達の様々な文化的背景とどのようにかかわっているかを、彼等の様々な表現から検証するつくりとなっている。

Mattew McCaslin (American)

What, Where, and When? 1994

Klaus Rinke(German)

Albert Einstein! When Does Baden-Baden Stop at this Train? 1989

Pipilotti Rist(Swiss)

Mutaflor 1996

Erwin Wurm(Austrian)

One Minute Sculpture 1997

Nadine Robinson(British)

Tour Hollers 2002

Fatimah Tuggar(Nigerian)

Meditation on Vacation 2002

Douglas Gordon(Scottish)

Monument to X 1998

Paul Pfeiffer(American)

Goethe's Message to the New Negroes 2001-02

Kim Sooja(Korean)

A Laundry Woman 2000

Adriana Varejão(Brazilian)

Tiles 2000

近年注目を浴びているビデオアートのポール・プファイファーなど、新しく依頼された６点の作品の他、モマの所蔵品からは、マシュー・バーニー、フェリックス・ゴンザレストレス、ガブリエル・オロツコ、河原温、杉本博らの作品が出展されている。

AUTObodies会場風景

AUTObodies展では、モマの所蔵品より、５０年に渡る車デザインの歴史から、顕著な影響力のあった車種が陳列された。フォルクスワーゲンのビートル、フェラーリのフォーミュラ１、そしてジープなどが会場にならぶ。なぜ車が美術館に、という疑問の声もあるが、それらの形体や鮮やか色には車ファンでなくとも魅了されるのではないだろうか。

この他、"A walk through Astoria and Other Places in Queens" と題されたのは、スイス生まれの、フォトグラファーでありフィルムメーカーでもあった、ルディー・バークハルト（１９１４ー９９）による、１９４０年代のクイーンズの写真展。バークハルトの写真は、センチメンタルなクイーンズ賛歌であり、モマQNSのオープニングにあわせ、今回初の一版公開となった。

Rudy Burckhardt

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Rudy Burckhardt

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建築デザインはもとより、今回のオープニング展覧会のアイデアは、すべてモマの移転というテーマから派生したと考えられる。時間や物理的な通過、あるいはクイーンズという土地にスポットをあてたテーマ。限られた予算と時間の中でのオンタイムでのモマ再開は、力の入った充実したものとなった。モマの移転は、この夏の大きなイベントの一つとなり、今後クイーンズでの様々な文化活動の呼び水となりそうだ。

（Yoko Yamazaki)