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-CONCEPT- OLD記事
ジューイッシュ美術館

:ジューイッシュ美術館: 1109 Fifth  Avenue NY NY 10128

Mirroring Evil展覧会 会期期間:2002年3月17日~6月30日

時間:(日)午前10時~午後5時45分

       (月、火、水)午前11時~午後5時45分

         (木)午前11時~午後8時 (金)午前11時~午後3時 

閉館日:土曜日

入館料:大人$8、学生, シニア$ 5.5、12歳以下無料、(木曜5時以降ドネーション)

インフォメーション:212ー423ー3200

http://www.thejewishmuseum.org

ミラーイングエウ゛ィル展:ジューイッシュ美術館

         ジューイッシュミュージアムは、グッケンハイムからアップタウンに向かって数ブロックの所にある。  その名の通り、常設では美術品のみならず、ジューイッシュの歴史、宗教、生活にまつわる資料などを展示している。  ジューイッシュの歴史を語るとき、戦時中のナチの迫害は避けては通れない。 展示されているいくつかの暗く重い史実に、強い衝撃を受ける人もいるだろう。 しかし、戦後のアメリカ美術を支えた批評家、アーティスト達にはジューイッシュが多く、この美術館と現代美術展の関わりは大きい。 例えば、1966年に開催されたPrimary Structures showは、ミニマルアートの存在を決定的にした歴史的な展覧会だ。

         さて今回、同美術館ではMirroring Evil: Nazi Imagery/ Recent Art” (ミラーイング エウ゛ィル:ナチの描写/近年の作品より) と題された展覧会が始まった。 世界各国からの30~40才代の13人のアーティスト達による過去数年の作品で構成されている。 アーティスト達にとり、ホロコースト、ドイツ第三帝国の記憶は自分たちが体験したという直接的なものではなく、全て、ポピュラーカルチャーを含む、社会からの情報、あるいはアーティスト自身による歴史ドキュメントの調査により認識されたものだ。

         作品のそれぞれは、さり気なく、また一見ジョークのようにもとれる。 しかし、それは、アーティスト達の、社会からの視覚情報への疑問でもある。 その疑問は私たち見る側に向けられる。  ”見ることの責任、それはホロコースト以後50年以上経った現在でも続いている、人権をはく奪するような行為、思想への警戒心。 それがアーティスト達が見る者に問いかけているものだ。 ” とは、ジョアン・ローゼンバウム、美術館デレクターの言葉。

         例えば、ポーランド人アーティスト、Piotr Uklanskiは、歴代のハリウッド映画に登場したナチ将校を演じた俳優達(ユル・ブリナー、ローバート・デュバルなど)の164枚の肖像をイギリス雑誌記事から抜粋し、C-プリントで再現した。 (会場ではうち145枚が展示されている。 ) その雑誌記事とは、その俳優の中で誰が一番ハンサムだったか、というものだった。

 Piotr Uklanski, The Nazis (detail)

 1998

 C-prints Courtesy of the Artist and Gavin Browns Enterprise, New York. Photo: Adam Reich

©The Jewish Museum

         アメリカ人アーティスト、Tom Sachsの作品の一つには、”ギフトガス ギフトセット”というのがある。 シャネル、エルメス、ティファニーの窪んだ三つの筒状の箱がセットになっている。 ドイツ語では、ギフトは”毒”を意味する。 消費社会への皮肉でもある。

 

Tom Sachs

 Giftgas Giftset

1998

 cardboard paper, ink, etc

Courtesy of Galerie Thddeus Ropac, Paris

©The Jewish Museum

         また、ドイツ人アーティスト、Rudolf Herzは独自の調査によりヒットラーのお抱えフォトグラファー、ヘインリッヒ・ホフマンの顧客の一人にアウ゛ァンガード美術、ダダの先駆者、マルセル・デュシャンがいたことを発見。 ヒトラー、デュシャンの写真を、デュシャンが執着したチェスゲームの版のように交互に並べて壁紙とし、部屋全体を覆った。

  Rudolf Herz

Zugzwang (detail)

1995

phtographic reproductions, room installation

Courtesy of the artist. Photo: Hans Doring

©The Jewish Museum

         ホロコーストの実際の被害者、遺族達はどう見るだろうか。 彼等の作品を否定するか、肯定するかは見る側にゆだねられている。 感情を深く害される恐れのある入館者には、見る事を回避しても良いという表示が会場にはある。 しかし、展覧会初日の17日、被害者を含む団体が、展覧会に対する大きな抗議デモを行った。 これを受けて美術館側は、アーティスト達が掲げる問題について討論できるような社会へと前進したい、とコメントした。

         テロによるワールドトレードセンター崩壊から半年経った3月11日、ニューヨークでは犠牲者を追悼するメモリアル式典があり、それに伴い被害現場からはレーザー光線による連夜の照明が始まったばかり。 ニューヨーカーには、ナチを超えて、テロへの嫌悪を呼び起こすかもしれない。 独自の教育活動を行う、ジューイッシュミュージアムらしいメッセージ性の強い展覧会だ。

         関連のパネルデスカッション、フィルムの放映も行われる。 また、オーストリア支配下のハンガリーで生まれ、政治犯としてとらわれの身となった過去を持つアーティスト、Zoran Musicのアクリル、水彩による作品展、An Artists Response to Evil: We are not the Last(邪悪へのある返答:”私たちは最後ではない”) も同時開催している。

 (Yoko Yomazaki)

 

Alain Sechas

 Enfants Gates (Spoiled Children)

 1997

 plywood, plastic, mirrors

 Courtesy Galerie Emmanuel Perrotin, Paris.

©The Jewish Museum

Zbigniew Libera

Lego Concentration Camp Set

1996

 cardboard boxes and photographic reproductions

The Jewish Museum, New York. Photo: David Heald

©The Jewish Museum

 

 


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