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-CONCEPT- OLD記事

スペイン絵画:エル・グレコからピカソ(時間、真実、歴史)展

Spanish Painting from El Greco to Picasso: Time, Truth, and History

11/ 17, 2006 – 3/ 28, 2007

Guggenheim Museum

 

チャイナ、アフリカ、ブラジル、ロシア美術、そして今回のスペイン絵画展と、近年大掛かりな国際展が続いているグッケンハイム。それらの企画はまるでワールド・フェアーのようだともささやかれる。しかし、本展では、エル・グレコ、ベラスケス、ズルバラン、ムリリョ、ゴヤ、そしてミロ、ダリ、ピカソがそろい、16世紀から20世紀までの500年あまりのスペイン絵画の歴史を概観する見応えのある展覧会になっている。

 

Francisco de Goya y Lucientes (1746-1828)

The Duchess of Alba, 1797

Oil on canvas

82 3/4 x 58 3/4 inches (210.2 x 149.3 cm)

The Hispanic Society of America, New York

 

本展の特徴は、作品が年代順ではなく、時代を超えて共通したテーマごとに分類されていること。修道士、聖母と母、磔刑図といった宗教的なものから、泣く女、子供達、家事、ヌード等々、15のテーマに沿って、新旧織り交ぜた展示になっている。その心はといえば、絵画におけるスペインの伝統とその独自性を明らかにすること。例えば、テーマの一つに“Bodegones”がある。死にいくもの朽ちゆくものを暗示し、17世紀のオランダの静物画に見られる“ヴァニタス(生の儚さを象徴するもの)”に通じるようでもあるが、本展ではよりミステリアスな空間感がBodegonesの特徴であるとして、スペイン絵画特有の要素であることを強調する。

スペイン美術史観は近年まで、エル・グレコからゴヤまでがひとくくり、そしてキュビズムとシュールレアリズムという分類が通説であり、研究者の間でも二つの時代区分の関連性はあまり語られなかったという。しかし、本展ではべラスケスとピカソあるいはゴヤとピカソといった比較によって、時代を超えたスペイン絵画の伝統を検証する。ことにピカソは、たとえ国を離れてもスペインの伝統を忘れなかったアーティストとして紹介されており、ほとんどのテーマにおいて比較の軸になっている。

 

Pablo Picasso (1881–1973)

Portrait of Jaime Sabartés, 1939

Oil on canvas, 45.7 x 38 cm

Museu Picasso, Barcelona, Gift of Jaime Sabartés, 1960

Picasso © Estate of Pablo Picasso/Artist Rights Society (ARS), New York

Diego Velázquez (1599–1660)

Francisco Pancheco, ca. 1619–22

Oil on canvas, 40 x 36 cm

Museo Nacional del Prado, Madrid

Photo © 2006 Museo Nacional del Prado, Madrid

 

本展の副題「時間・真実・歴史」は、1790年代後半のゴヤの作品タイトルに由来する。その作品は、17世紀末からの啓蒙思想の影響下にありながらゴヤ自身の現代感覚を反映させている。単なる伝統への固執ではなく、伝統と新しさを融合させた点、それがスペインらしさであると主張するようでもある。このゴヤの作品、意外に小さく、あまりにさりげなく展示されているのが印象的だった。

 

Francisco de Zurbarán (1598-1664)

Saint Hugh in the Refectory (Saint Bruno and the Miracle of the Uneaten Meat), ca. 1645-1655

Oil on canvas

105 1/2 x 125 3/16 inches (268 x 318 cm)

Museo de Bellas Artes, Seville

 

「ラス・メニナス」など、スペイン絵画の大作はないが、展示された約140点の作品からは周到な準備が重ねられたことが伝わってくる。貴重なのは、ズルバランの作品を通観できること。ちょうどフリック・コレクションではヨーロッパ絵画のコレクションで知られるクリーブランド美術館展が開催中だが、ズルバランが取り組んだシリーズ作品がグッゲンハイム、フリック両館にわたって展示されている。ニューヨーカーにとっては、スペインの名作を堪能できるまたとない機会であることに間違いなさそうだ。(Yoko Yamazaki)

 

 

 

 

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