scope
New York
March 7-10, 2003
at Dylan hotel / 52 East 41 Street
グランドセントラル・ステーション近くのスタイリッシュなディランホテルで3月に行なわれたイベントScopeは今年で2年目。ニューヨーク他マイアミ、ロサンジェルス、ロンドンで開催される。30ものギャラリー、インディペンデント・キューレターなどがホテルの7階から12階を占領、各部屋を宿泊施設、展示室として3日間に渡り使用する。美術界の堅苦しさ、近付き難さを一挙に取り払い、親密でリラックスした雰囲気のホテルの部屋で、というアイディアだ。ベテランコレクター、初心者コレクター、一般鑑賞者、キューレター、アーティスト幅広い人々が楽しめるイベントとなった。特に初日にはホテル1階のロビーにて開催されたパーティーは大盛況。ナイトクラブ以上にエキサイティングだった。
ホテルの部屋が展示室。ベットの上に広げられた版画やドローイング、テレビ画面で再生されているビデオ作品、室内のカーテン、バスルームのカーテンに映写される作品。慣れない為にチグハグで、最初は違和感がある。廊下にもネオン作品、ビデオ、写真の展示。ワインを片手に立ち話するギャラリーオーナーと来客。新鮮な体験である。
Overview
多くのギャラリーが複数のアーティストを紹介する中、ミラノのギャラリーMarella Arte
Contemporaneaはイスラエル人アーティストオーリー・コーガン(Orly
Cogan)の個展を催した。プリント、無地布にラフなスティッチ、開放的なセクシャルシーンを刺繍するオーガンの作品。ベッドカバー、枕カバー、壁のタペストリー、バスルームのカーテン、タオル、ドアノブの小さな飾りとなり見事なインスタレーションとなった。
Marella Arte Contemporanea
Orly Cogan
Orly Cogan
Orly Cogan
Orly Cogan
Orly Cogan
Orly Cogan
Orly Cogan
パリのギャラリーGalerie Valerie
Cuetoはバスルームのカーテンにジーン・サスプラガス(Jeanne
Susplugas)の作品Dissolutionを映写した。真っ赤なマニキュアが塗られた指を一本づつ除光液が浸透しているスポンジの中へ指し込んでいく。特別ゆっくりな動作ではないが気だるい、無意識に繰り返している動作という印象。手の部分しか映されないが、不安定な心境が伝わってくる。
ニューヨークのギャラリーRed Dotは5人のアーティストを紹介した。その内Davide CantoniのLittle Disastersシリーズに注目。キャントーニは日々繰り返される世界中の悪いニュースの映像に手を加え半透明の紙に焼き付ける。虫眼鏡を使って焼き付けられた絵にはラフさと繊細さが共生している。
Red Dot
Davide Cantoni
Jason Phillips
Galeria Enrique Guerrero
Santiago Sierra
Santiago Sierra
秀島