アッシーズアンドスノー展
ノマディック美術館
Ashes and Snow
Nomadic Museum
Hudson River Park's Pier 54 at West 13th Street
3/5~6/6、2005
ノマディック美術館
Photo©S. Yoshida
建築家、坂茂
Photo©S. Yoshida
昨年9月より施行中だった148のコンテナからなるノマディック美術館が、マンハッタンのダウンタウン、ウエストサイドの埠頭にあるハドソンリバーパークに完成した。この建物は3ヶ月間の仮設美術館。ノマディックとは遊牧の意味で、遊牧民の移動式住居パオのように世界を移動可能な美術館であることを暗示している。建造デザインは、再生紙による建築で知られる坂茂(ばんしげる)。
ノマディック美術館内
Photo©S. Yoshida
ノマディック美術館内
Photo©S. Yoshida
内部は、約200メートルの奥行きに高さ10メートルを超える紙の柱が林立する。どこかバシリカ様式教会の身廊を思わせ、見る者を奥へ奥へと誘う。”建築としての主張を通しながらも、人々がその中に収まる作品に集中できることを目指した”と坂は語る。
アーティスト、グレゴリー・コルベ
Photo©S. Yoshida
Ashes and Snow ©Gregory Colbert
展示されているのは、カナダ出身のアーティスト、グレゴリー・コルベの写真とフィルムによる200点を超える作品、”アッシーズアンドスノー”。動物を”自然の生きた傑作”と語るコルベは、世界各地を巡り象やくじら、チーター、鷲や鷹など、動物と人とのコラボレーションを撮り続けている。13年にわたる彼のプロジェクトは未だ現在進行中。このプロジェクトは、漂泊するオデッセーの長編叙事詩にもなぞらえられているようだが、再生、継続するノマディック美術館のコンセプトとも重なり興味深い。展覧会の企画は、非営利の美術・自然保団体、The
Bianimale Foundatioの後援による。(Yoko Yamazaki)