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-CONCEPT- OLD記事

ISE CULTURAL FOUNDATION

555 Broadway, New York, NY 10012

Tel. 212.226.9362

Tuesday-Saturday: 12-6pm

www.isefoudation.org


 

Summer Project 02

The Drawing Room

June 21 — July 27, 2002

 Ise Cultural Foundationで今回紹介された新鋭のアーティストはEva Lee (エヴァ・リー)、Frank Magnotta (フランク・マグノッタ)、Ayae Takahashi だ。3人は国籍、バックグラウンド、興味はバラバラなアーティストたちである。共通するところはアメリカ在住、「ドローイング」を制作していることと、作品が一歩距離を置くような印象があるところだ。今回のキューレーターは遠田奈緒さんだ。

 

 

Installation view, Eva Lee 
©Ise Foundation

 真っ黒い紙に白い点を描くエヴァ。一番大きなドローイングは壁に吊るされ床を這い、その端はロールされているというインスタレーションだ。室内で見る星のような光景はプラネタリウムを思い起こさせるが、星空にはない滑らかな動きがある。黒い紙の上を這うようなオーがニックな物体はどこへ行くともつかない。紙の中には納まらず、無限に広がる有機物の集合体をアーティストが切り抜いたような感じだ。

 “Nature is both very small and very large.”  「自然は大きくもあり小さくもある。」と言うエヴァは大学の科学者たちと共同で修士号の研究を行ったり、コレクターに著名な科学者を持つアーティストである。

 

 


Installation view, Frank Magnotta
©Ise Foundation 

 

 


Installation view, Frank Magnotta
©Ise Foundation 

 

 フランクの絵はどことなくアンバランス。ちょっとなつかしい建物を描いたのか、かわいいおもちゃの家、町模型の部品(家々、看板など)を描いたのか、何にしろ周りの風景から切り取られた印象がある。それに、どうしてかミニチュアに見える。

 フランクがこのドローイングを制作することになった経緯は、テレビガイドを見るうちにチャンネル、時間で区切られた番組を立体的に現せないかと思い付いたことがきっかけだ。数学的であり遊び心いっぱいの思い付きだ。番組を実際にチャンネルと時間を元に平面のの見取り図を作り(例えば番組が長い程部屋が大きくなるというように)、だんだん二階、三階と組み立てていったそうだ。また時間帯ごとにドローイングを制作するので、仕上げの建物の外装、周囲の雰囲気はその時間帯に影響される。例えば夜の番組のドローイングは、夜景を背景に郊外のハイウェイ沿いにあるモーテルや映画館のサインに仕上がっている。選ぶ時間帯、その時に放映される番組構成とアーティストのイマジネーションが一緒になって制作されるドローイング・プロジェクトである。

 

Installation view, Ayae Takahashi
©Ise Foundation

Installation view, Ayae Takahashi
©Ise Foundation

 アヤエの作品は妖怪とおとぎばなしがミックスされたイラストレーション的な作品だ。西洋のおとぎばなしを襖を模した画面にどことなく東洋風にシュールに描いている。アヤエはおとぎばなしはロマンティックで、暴力的で、性的で、不合理であると言う。「不思議の国のアリス」を題材にした作品には一見かわいいがメカニックで怖い顔をしたウサギ、「白雪姫」の作品には倒れる少女の上を這う蟻んこの行列、「みにくいアヒルの子」の背景で繰り広げられる殺し合い。若くして異文化を体験することになった彼女にとって、初めて現実混乱を起こさせたおとぎばなしの世界である。

 

各アーティストがこれからどのように伸びて行くのか楽しみである。

 

秀島美弥

 

 

Ise Cultural Foundation — Program for Emerging Curators

 

Ise Cultural Foundationでは駆出しのキューレターに展覧会を企画する機会を提供している。展覧会はNew York, SohoIse Cultural Foundationギャラリーで、期間は6週間。詳細はホームページを参照、または直接お問い合わせ下さい。

 

Curator: Nao Onda

 

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