• N
  • TCg^c
  • vCoV[|V[
  • [
-CONCEPT- OLD記事

奈良美智:Saucer Tales 展

10/19- 11/16, 2002  


マリアン・ボエスキーギャラリー

Marianne Boesky Gallery

535 W 22nd Street, New York NY 10011

 

                        モマクイーンズで公開中のドローイング・ナウ展でも現在のドローイングを語るにはずせないアーテストの一人として取り上げられている奈良美智。その奈良の個展が、マリアン・ボエスキーギャラリーにおいて開催されている。奈良にとり、NYでは今回が2回目の個展となる。

奈良美智;Saucer Tales より

©Yoshitomo Nara

Photo© S. Yoshida

奈良美智;Saucer Tales より

©Yoshitomo Nara

Photo© S. Yoshida

                        ギャラリーには、子供の絵が描かれた大きな丸皿が並べられている。そもそも奈良が丸皿に惹 かれたのは、四隅のないその形体が、上下左右という規制から絵を自由にさせてくれるかららしい。 プレスリリースには奈良の次のようなコメントが引用されていた。

                        ”今まで四角い中に描いてきたものがその中に入ると、より絵じゃないー壁に穴が開いたように見 えるっていうか。奥行きが不確かになるから。もしかしたらホントにそこに穴が開いてて、中に子供 がいるように見える効果もあるんじゃないかな...。”(H magazine, 10月号、2001より)

                        確かに、絵をたたえるクリーム色の皿は、空間のなかでその形体を主張するでもなく、否定 するでもない。だからだろうか、奈良の作品には不思議な浮遊感がある。クリーム色の皿の間で、一枚 だけ黒い皿が置かれているが、それは突出することなく全体の空間に馴染んでいた。そしてその中の 絵も。

奈良美智;Saucer Tales より

©Yoshitomo Nara

Photo© S. Yoshida

                        ギャラリーの四角いフレームに丸皿のシンプルな組み合わせ、それに乾いた岩絵の具のような表面性、おさえられた色彩にやわらかい輪郭線は、どこか日本の伝統的な絵画を思い起こさせた。けれどここであえて日本的な要素を強調する必要はないのかもしれない。かつてキャラクターの形体に関して奈良が言及していたのは、イタリアのジョットなのだし、また心地よい空間、形体は、インターナショナルなものになりつつあるかもしれないからだ。

                        「アメリカ人にも好評です。」とは、プレスリリースの奈良のコメントを英訳し、画廊でアシスタントを勤める坂田祐子氏のコメント。坂田氏からは、「彼の作品の公開前から展示予定を聞きに画廊に立ち寄る人がいたくらいで、みんな今回のショーを楽しんでいるのでは。」との感想も頂いた。

奈良美智;Saucer Tales より

©Yoshitomo Nara

Photo© S. Yoshida

                        アメリカでは、2003年9月に巡回展覧会(クレブランド センター フォア コンテンポラリーアート企画、フィラデルフィア インスティチュ-ト オブ コンテンポラリーアート、セントルイス現代美術館へ巡回)が予定されている。

 

Yoko Yamazaki

奈良美智;Saucer Tales より

©Yoshitomo Nara

Photo© S. Yoshida

奈良美智;Saucer Tales より

©Yoshitomo Nara

Photo© S. Yoshida

 

 

 

Copyright (C) 1999-2010 New-York-Art.com All rights reserved.