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画廊

 

Uptown    アップタウン

Ce`zanne`s watercolors  セザンヌの水彩画

Acquavella Gallery     アクアヴェラ画廊 18 East 79th Street  11月24日まで

 Paul C`ezanne(ポール・セザンヌ)の水彩画はアートラバーの間では高く評価されている。それ故、アクアヴェラ画廊で展示されている46点の作品は必見である。

 セザンヌの水彩画の最も驚くべき事は、彼が何を描いたかではなく何を描く必要がなかつたかである。ミデイアムを誤魔化す事なく、紙の白い部分を彼ほど上手く生かしたアーテイストは他に類を見ない。彼は塗られていない白の部分と完璧に計算された色のタツチとの融合を私たち見る者に突きつける。

 “Rose in Greenery”(温室のバラ)を例にとつてみよう。この作品で、セザンヌだけが成し得る手法が見られる。彼はバラを描いていないのに、あたかもこの作品にバラが描かれたかのような印象をあたえる。

 私たちはバラを絶対見られないにもかかわらず、真中の白の部分を取り囲んでいる薄いピンクのタツチによりバラがあるのを知る。見られないけれども、匂う事が出来るのだ。

 このショーの他のハイライトとして、素晴らしい8点の静物画(1900年 ~ 1906年 没に至る)、セザンヌが憑かれた岩岩、何点かの肖像画、最も有名なサン=ヴィクトワール山を含むエクス=アン=プロヴァンスの田舎風景がある。

 このショーで、セザンヌは台所用品を始め(瓶、頭蓋骨、ラグ、オーブン、季節のフルーツ等)を斬新な表現で描いてみせる。死に直面した人が描いたものとは決して思えない。    私たちはこれらの水彩画に、彼が意識していなくとも“約束された世界”をみる。

 最初にも書いたがアートラバーにとつてみ逃せない、今シーズン(この他にも見るべきショーが目白押しである)の画廊でのショーでも屈指のものである。

 

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