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-CONCEPT- OLD記事

パーキング場

 

 

キャンバス、アクリリック、コラージュ 1975

30 cm X 40 cm

 

 

ニューヨークの次郎長

 

第15回   黒髪の踊り娘

 

 

踊り娘が交代して、巨大なおっぱいの、お化けかぼちゃと、長い黒髪のやせが、ぶらぶら踊り始めた。黒髪が近づき、奇麗な日本語で、

 

「あんたたち、日本人」

 

と開くではないか。酔いが一遍にに醒めてしまった三人に、あとで、外で会いたいと云った。最終舞台を終った黒髪と一緒に、三人は外に出た。お化けかぼちゃは、特別サービスとばかり、下りて釆て、最前列の、チャイニーズの若君の一団に、片っ端から、自慢のおっばいを、しゃぶらせているのが、鮫の目に入った。

 

「あんたたち、次郎長さんの子分でしょう、すぐ解ったわ、親分のところに、連れて行って、相談したいことがあるのよ」

 

「と云う訳でして、親分が帰るまで、退屈しのぎに、しらけた顔して、ロフトに留守番していた連中に、ああやって、サービスしてくれてたんです」

 

「それにしても、皆な大変な御機嫌じゃあねえか」

 

「へえ、今、呼んで釆やす」

 

「お初にお目に掛かります、私、高下駄の久七親分のお世話になっていました、名を牡丹灯籠と申す駆け出し者でございます、故あって、久七親分のところを逃げ出し、喰うに困って、お恥しいところを、大政兄いに見つかり、一目、有名な、次郎長親分様のお顔を、拝ませていただこうと、ここに参ったのでございます」

 

両手をついた、まる裸の、牡丹灯籠を、見下していた次郎長は、

 

「ここは外国だ、まあ、堅いあいさつは抜きにして、気楽に話し合いましょう、誰も彼もが、ここでは同じ人間同士、いちから始め、腹を割ってつき合おうと、今日、ここで我我も誓い合ったばかり、牡丹さん、久七から逃げ出したとおっしゃった、まずその訳を、この次郎長に、聞かせてやってくんねえ」

 

「久七と来たひにあ、まるで、悪魔みたいなやつなんです親分、着いたばっかしで、右も左も解らないのに、大勢、子分もいらっしゃろうと云うのに、よりによって、この私をつかまえて、やれ、ハーレムのこの店で、この銘柄のラム酒を買って来い、やれ、自由の女神まで行って、船から、望遠レンズで、女神の頭の写真を撮って来いと無理難題を、片っ端から命令し、間違いでもしでかそうものなら、皆なの前で、大声で罵倒し、私なんぞは、バス、地下鉄の乗り方すら、地図をたよりの、よたよた歩きなのに、見ず知らずのマンハッタンじゅうを、南に北にと走り廻らせ、持ち合せの有金など、またたく問に消える始末、そのうえ、持って来た、カメラ、時計、ラジオなどまで、今や、質草のありさま、しまいには、寝ろ、と迫られ、無理矢理酒を飲まされ、それでも云うことを開かないと、殴る、ける、の乱暴、荒繩で縛られ、荷物専用のカギエレべ-ターに引っ掛けられ、一階から五階まで、真っ暗な洞窟の様な中を、釣り上げたり、下げたり、もう何度死ぬかと思ったか」

 

「へえ-、まるで、講談本に出てくる、昔の悪代官だなあ、そりやあ-」

 

 

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