Marlene Dumas: Measuring Your Own Grave
The Museum of Modern Art
12/14/08-2/16/09
Marlene Dumas,
Measuring Your Own Grave,
2003,
oil on canvas, 55 1/8 x 55 1/8 in.,
private collection, © 2008 Marlene Dumas, photo by Andy Keate
ドュマスは、1953年南アフリカのケープタウン生まれ。76年にアムステルダムに移住し作家活動を続ける。彼女のアメリカ初の回顧展。モマとロサンジェルスのモカ(The Museum of ContemporaryArt)との共同企画。モカでの展示の後にモマに巡回したもので100点を超える絵画とドローイングが展示された。
展覧会の中心は肖像画。友人・家族から雑誌・新聞のメディア写真の事件の被害者やテロリストなど、モデルは様々。人種や国籍はもちろん政治的・社会的な背景を超えて無作為のように描く。ドュマスは、ゲルハルト・リヒターのオクトーバー・ペインティングを参照した肖像も描いている。他のアーティストの作品を参照するのは現代アートでよく見受けられるが、あくまで肖像画にこだわるのがドュマス。モマ展の企画者、ドローイングのチーフキュレーターであるコニー・バトラーは、ドュマスについて「力強く説得力のあるメディウムとしての絵画に従事し、現代の最も困難な社会事情にかかわりながら肖像画とは何かを探求する点がユニーク。」と述べている。
展覧会タイトルは、彼女の2003年の作品のタイトルからとられたもの。キャンバスの幅いっぱいに両手をひろげた人物を描いた作品。キャンバスの寸法を測るようなしぐさが自身の墓穴を測定するしぐさに重なる。アーティストにとってはキャンバス空間が棺か墓場にもなるとは示唆的なタイトルだ。(Yoko Yamazaki)